今回は糖尿病について考えてみたいと思います。
一般的に糖尿病というと、
「甘い物の食べすぎ」
「糖の摂りすぎ」
といったイメージを持つ人が多いと思います。
実際、「糖尿病=糖が悪い」と考えるのは、ごく自然なことでしょう。
このイメージは一般的に根強く定着しているものと思います。
だからこそ、糖尿病を別の角度から見た考え方に触れると、最初はかなり戸惑うかもしれません。
しかし、糖尿病を「糖の過剰摂取」だけで説明するのは、あまりにも短絡的すぎるのではないかと、思ったりもするわけです。
少し違う観点から見ると、これまで当たり前だと思っていた糖尿病のイメージが、少し違って見えてくるかもしれません。
血糖値が高いは「糖が使えない状態」とは言えないか
この考え方では、糖尿病が単純に「糖を摂りすぎた結果」血液中の糖の値が高くなったのではなく、細胞内で糖をうまく利用できない状態があって、結果として血糖値が高くなったとして捉えることはできないだろうか?
つまり問題は、「糖があること」そのものではなく、
糖がエネルギー源として使われていないことにある、という見方ができるのではないか。
もし糖が十分にあっても、それを細胞が使っていないのであれば、血液中の糖が余まってもなんら不思議ではないと言える。
その結果として高血糖という現象が起きる。
そう考えると、糖尿病を違った視点から理解できるようになるし、高血糖との付き合い方も変わってくるのではないでしょうか?
「健康の場」と「病気の場」
この見方を整理するうえで分かりやすいのが、「健康の場」と「病気の場」という考え方です。
健康の場
健康の場とは、エネルギー代謝がスムーズに回っている状態です。
エネルギー代謝が回っているということは、血液中の糖もスムースに使われているということです。
また、ミトコンドリアがブドウ糖や果糖を材料にして、滞りなくエネルギーを作り出している状態とも言えます。
病気の場
一方、病気の場とは、エネルギー代謝がスムーズではない状態です。
ミトコンドリアでの糖代謝がうまく機能せず、糖が使いにくくなっているため、糖質の代わりに脂質やタンパク質をエネルギー源として使う方向に傾いている状態を指します。
この考え方でいえば、糖尿病は体が「病気の場」にあるときに起こりやすい、ということになります。
糖代謝と脂質代謝は拮抗する
ここで重要になるのが、糖のエネルギー代謝と脂質のエネルギー代謝は拮抗関係にある、という見方です。
血液中に脂質が多いと、糖の代謝は抑えられやすくなり、
逆に血液中に糖が多いと、脂質の代謝は抑えられやすくなる。
このような関係を説明するものとして、ランドル効果という考え方があります。ランドル効果とは、今から60年以上前の、1960年代に研究されていた代謝の仕組みです。
つまり、体が脂質を優先してエネルギー源として使っている状態では、糖は使われにくくなる。
その結果、血液中にブドウ糖があっても利用されにくくなり、高血糖が起こりやすくなる。
そういう流れです。
なぜ脂質代謝に傾いてしまうのか
この視点で見ると、
糖尿病の背景には「糖の摂取量」だけでなく、脂質の質と量も関わっている可能性があります。
特に、多価不飽和脂肪酸の油がランドル効果を強く誘導する、という見方があります。
多価不飽和脂肪酸とは、オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸のことです。
現代では、調理油や加工食品を通して、こうした油を摂る機会がかなり多くなっています。
炒め物、揚げ物、加工食品。
現代の食生活を見れば、昔よりも多くの油を摂っていることは想像しやすいでしょう。
さらに、オメガ3脂肪酸は健康的な油としても広く勧められるようになり、今ではスーパーでもDHA/EPA、亜麻仁油、えごま油などが、日常的に売られるようになっています。
こうした油が糖代謝にどう影響するのか、という視点で注目しているわけです。
糖質制限や断食で痩せる理由
糖質制限やファスティングをすると体重が落ちることってありますよね?
これは、糖が足りなくなることで、体が蓄えていた中性脂肪をエネルギー源として使うからです。
いわゆる、「ファットバーン(脂肪燃焼)」というやつです。
一見すると、脂肪が減るのは良いことのようにも思えます。
しかし、この考え方では注意すべき点があります。
現代人の食習慣は昔と比べて、多価不飽和脂肪酸の比率が高いです。
体で使われず余った脂肪酸は中性脂肪として蓄えられます。
もし体内に蓄えられた中性脂肪の多くが、多価不飽和脂肪酸だったとしたら・・・
中性脂肪をエネルギーとして使い続けることが続いたら、ランドル効果によりさらに脂質代謝優位の状態が続いてしまう可能性がある、というわけです。
すると、血液中にブドウ糖があっても利用しにくくなる。
その結果、高血糖が起こりやすくなる。
そして、高血糖だからといって糖をさらに制限すると、今度はますます脂肪を代謝することになり糖が使えなくなる。
こうして悪循環が始まる、と言えないでしょうか?
インスリン抵抗性も違った角度で見てみると
この流れで考えると、インスリン抵抗性もまた、単に「糖を摂りすぎた結果」とは違う見え方をしてきます。
糖をエネルギーとして使えない。
だから脂質代謝に傾く。
脂質代謝が進むことで、さらに糖が使えなくなる。
そうした状態の延長線上に、インスリンが効きにくい状態があると見るわけです。
この視点に立つと、糖尿病とは「糖が多い病気」というより、
細胞内での糖利用障害
として理解したほうが実態に近いのではないか、という考え方が見えてきます。
糖尿病を根本から見直すなら
もし糖尿病の背景にあるのが、糖の過剰摂取そのものではなく、細胞内での糖利用障害だとしたら、
対策の方向性も変わってきます。
この考え方では、
糖を先に切るのではなく、まず油を見直すべきだ
という結論になります。
特に、オメガ3やオメガ6といった多価不飽和脂肪酸を減らすことが重要であり、
それによって脂質代謝優位の状態を抜け出し、糖代謝に戻りやすくすることが目先の目標となります。
一般的な説明とはかなり違って見えるかもしれません。
しかし、一つの見方として整理してみると、糖尿病を別の角度から捉え直すきっかけにはなります。
でも「砂糖」は体に良くないよね?
ここで気になるのが、なぜ「砂糖」が出てくるのか、という点です。
この考え方では、糖のエネルギー代謝に戻すためには、脂質代謝優位の状態を切り替えていく必要があるわけですが、すでに糖をうまく代謝できなくなっている人が、いきなり砂糖を摂っても、すぐに利用できるわけではありません。
やはり、高血糖になる可能性が高い。
そこで注目されるのが、「果糖」(フルクトース)です。
果糖は、ブドウ糖とは異なる経路で代謝されるため、ブドウ糖が使いにくい状態にあっても、果糖はエネルギー源として代謝できる、という考え方があります。
砂糖はショ糖であり、ブドウ糖と果糖が結合した二糖類です。
砂糖は消化されると、ブドウ糖と果糖の結合が外れて単糖になります。
この果糖があることで、ブドウ糖が使えない状態でも、果糖を利用してエネルギーを作り出すことができる。
だから、果糖を含む砂糖や、果糖を含むフルーツ、天然のハチミツなどが重視されるわけです。
一般的な常識とは違うが、視点としては興味深い
もちろん、こうした見方は一般的な説明とは異なる部分があります。
だからこそ、すぐに受け入れにくい人もいると思います。
ただ、糖尿病を「糖の摂りすぎ」だけで説明するのではなく、
糖が使えない状態として捉える視点は、考え方として興味深いものがあります。
少なくとも、
「高血糖だから糖を減らす」
という単純な話では整理しきれない部分があることは感じさせられます。
最後に
今回の記事は、糖尿病を別の角度から捉える考え方を、自分なりに整理したものです。
ここで書いた内容を、そのまま医療的な正解として扱いたいわけではありません。
ただ、一般的な説明だけでは見えてこない見方があるということも、知っておく価値はあるように思います。
今回の記事は書籍を元に私自身が読んで考察した内容です。
もし興味が出たなら、元になっている書籍や関連書籍も、実際に読んでみるとよいかもしれません。
私自身の理解には限界がありますし、こうした内容ほど一次情報にあたることが大切だと思うので。
参考文献
- 崎谷博征『糖尿病は砂糖で治す!』
- 崎谷博征『プーファフリーであなたはよみがえる』
- 崎谷博征『病はリポリシスから』
出版の新しいのでは、
「オメガ3神話の真実」
「慢性病の原因は「メタボリック・スイッチ」にあった! 」
このあたりの書籍でも、メカニズムが詳しく書かれています。




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