免疫を「体内のゴミ掃除」として考える

本日は、免疫のお話です。

免疫を簡単に説明するなら、
体の中にあるべきではない病原微生物や不要なものを掃除してくれる、
生体防御システムのことです。

免疫力が高いとか、低いとかいう話がありますよね?

免疫力が高いと風邪をひきにくい。
免疫力が低いと風邪をひきやすい。

このような言い方は、日常の中でもよく耳にします。

皆さんは、免疫というと何を思い浮かべるでしょうか。

  • 風邪をひいたときに治りやすい
  • 一度かかった病気にかかりにくい
  • 感染しにくくなる

こんな感じでしょうか。

免疫のことを少し勉強すると、
自然免疫、獲得免疫、マクロファージ、NK細胞、T細胞、B細胞、抗体……
いろいろな言葉が出てきます。

深く知ろうとすると、少し難しかったりもしますよね。


免疫というと、
ウイルスや細菌をやっつける働きが思い浮かびやすいと思います。

もちろん、それも大切な働きです。

でも免疫は、それだけではありません。

体内の不要になったものを片付ける、
ゴミ掃除屋さんのような働きもしています。

そのゴミを片付けているのが、貪食細胞です。

ウイルスや細菌の防御だけではありません。
代謝の過程で出る老廃物もゴミですし、
寿命を迎えた細胞を処理するときにも活躍します。

つまり免疫とは、

体内で不要となった異物を掃除してくれるシステム

このように考えると、シンプルで分かりやすいですね。


体が元気でありさえすれば、
免疫システムも正常に働いているといえます。

元気な人のことを、
「代謝がいい」と言ったりしますよね。

逆に、代謝が低く、いつも元気のない人は、
免疫システムも弱くなっているかもしれません。

元気がない理由は、
多くの場合、エネルギーが慢性的に不足しているためではないかと思います。

そのため、エネルギー不足は直接ではないにしろ、
免疫細胞の働きも弱めてしまうと言えそうです。

エネルギー不足が一時的なものなら、まだいいのです。

けれど、それが慢性的だった場合、
体内のゴミ処理も滞ってしまいそうです。

これが長期に続くと、
しだいに病気の足音が近づいてくると言っても、
過言ではないでしょう。


生活の中でも、
部屋の掃除を長い間怠っていると、
いつしかゴミ屋敷と化す場合がありますよね。

もし免疫システムのゴミ処理能力が、
排出されるゴミに追いつかなかったとしたら……。

体内のゴミ屋敷化。

ここまでくると、
自力でクリーンな状態に戻すことは、
ほぼ不可能なのではないでしょうか?

免疫細胞の力が弱い。
もしくは、免疫細胞の処理能力を上回るゴミが出てしまっている。

その結果、蓄積したゴミが限界を迎えたところで、
慢性的な病気が現れる。

このようにイメージすると、
しっくりくる部分があるのではないでしょうか。


「形態形成維持システム」

これは、崎谷博征氏の書籍
『新・免疫革命』に書かれている言葉です。

免疫とは、この形態形成維持システムの一部であり、
その中心になるのが食作用です。

これは、ロシアの動物学者であり、ノーベル賞学者でもあるメチニコフが提唱したものだと書かれていました。

細胞内は、日々新陳代謝されています。

ダメージを受けたタンパク質やミトコンドリアなどは、
ゴミと判断されると速やかに分解され、再利用されます。

この細胞内でリサイクルされるシステムを、
「オートファジー」と言うそうです。

もちろん、細胞に入ってきたウイルスやバクテリアも、
オートファジーによって処理されます。

免疫とは形態形成維持の一部であり、
体内にあっては困るゴミを掃除するもの。

このように考えると、
免疫の見え方が少し変わってきます。


一般的にアレルギー疾患や自己免疫疾患のような炎症性疾患に対しては、ステロイドなどを使い、免疫を抑制させる治療が行われます。

ちなみに、近年健康的なものとして出回っているオメガ3脂肪酸も、抗炎症作用のある、抑制に働く油です。

これら炎症を抑制する薬物や物質は、免疫システムが行うゴミ掃除の作用を低下させると言えそうです。

つらい症状に耐えられないときは、
消炎鎮痛剤などで抑制することで、苦痛は減って快適になるでしょう。

しかし、これは症状を抑えているだけなので、
病気を根治することにはつながりません。

今、一般的に行われている治療や健康法の大半は、
病気を根治させるものというよりも、
不快な症状を抑え、苦痛から解放するためのものと考えられます。


症状は悪者なのか

症状というのは、
それそのものが治癒の過程で起こるものと考えられます。

もし、慢性的な病気で悩んでいる人に、
「根治させるなら、症状を出さなければいけません」
と言われたらどうするでしょうか。

仮に、症状を出し切れば治癒に向かうと分かっていても、
つらくて不快な症状が起こることには抵抗があります。

それ自体が、大きなストレスにもなります。

どちらを選択するかは、
個々の判断で悩ましいところです。

免疫を抑制させ、不快な症状を抑えれば、
ストレスは減ります。

しかし、それは原因の処理を先送りしたに過ぎず、
根治にはならない可能性が高いことも、
知っておく必要がありそうです。


体内をクリーンに保つには、
免疫細胞に働いてもらう必要があります。

働くということは、
そのための動力源が必要になるということです。

人間であれば、ご飯を食べて栄養をつける。
腹ペコでは働けません。

免疫細胞も同じです。

免疫細胞に働いてもらうには、
細胞が活動するために必要な動力源が必要です。

それが、エネルギーです。

人間も細胞も、
活動するためにはエネルギーが必要不可欠なのです。


エネルギーは、栄養素をもとに細胞内で作られます。

そして、このエネルギーが滞ることなく作られ続けることが大切です。

でも、現代人はエネルギー産生能力が低い人が多い。
周りを見渡しても、平熱が35度台の人って普通に多くないですか?
どうみても代謝が低いですよね。

これらの原因の一つに、
代謝を抑制させるような健康法が多いことも、
関係しているのではないでしょうか?

還元作用が体に良い。
酸化させないように、抗酸化物質を摂った方がいい。

このような言葉は、よく聞きます。

けれど、これらの作用は代謝を抑制させる方向に働くものです。

酸化が過剰な状態なら、
それを抑制させる必要は確かにあるでしょう。

しかし、過度に酸化を抑制してしまうと、
代謝そのものも抑制される可能性があります。

だから、人間の都合で意図的に還元したり、
抗酸化したりすることは、どうなのだろうと思うわけです。


オメガ3、生の葉野菜、水素水、ケイ素、抗酸化作用のある物質の摂取など。

今の世の中で「体に良い」と言われているものは、
抗酸化作用のあるものが多いように感じます。

逆に、酸化させるものは「悪いもの」という認識があり、
今の健康法ではあまり聞かない気がします。

抗酸化とは、ゴミ掃除を抑制する作用。
酸化とは、新陳代謝を促進させる作用。

もちろん、過度の酸化はよくありません。

けれど、過度に抗酸化するのも、
同じようによくないはずです。

平常時は、酸化でも還元でもなく、
その中間にあることが大事です。

過度の酸化や過度の還元のように、
どちらか一方に偏っていることが問題なのです。

現代の健康法は、何でもかんでも抗酸化に寄りがちです。

その結果、
抗酸化が行き過ぎている可能性もあるのではないかと思います。


今回の記事は、崎谷博征氏の書籍
『新・免疫革命』を読んで、
私なりに簡単にまとめたものです。

免疫とは、単にウイルスや細菌をやっつけるものではなく、
体内のゴミ掃除を担うシステムでもある。

そして、そのゴミ掃除にはエネルギーが必要であり、
代謝をどう保つかという視点も重要になる。

そのように考えると、
免疫というものが、少し違った角度から見えてきます。

一般的に言われている健康法をそのまま鵜呑みにするのではなく、
体の仕組みから見たときに本当にどうなのか。

そこを自分なりに考えることが、
大切なのではないかと思います。


崎谷博征『新・免疫革命』

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