糖代謝は、体のエネルギーを考えるうえで避けて通れない
今回は糖代謝の話です。
このあたりの話は、健康な体を考えるうえでとても重要になってきます。
どうしても避けては通れない部分だと思います。
健康に過ごすためには、体がエネルギーを作り出せることが大切です。
エネルギーあっての生命活動。
体を動かすにも、頭を働かせるにも、回復するにも、体温を保つにも、エネルギーは必要です。
そのエネルギーを作るうえで、効率よく使われやすい栄養素のひとつが「糖」です。
近年は糖質が悪者のように扱われることもありますが、糖は本来、体にとって大切なエネルギー源でもあります。
だからこそ、血糖値が気になる人ほど、糖をただ避けるのではなく、糖が体の中でどのように使われているのかを知っておくことが大切だと思います。
元気が出ない背景に、エネルギー不足があることもある
風邪をひきやすい。
虚弱体質だと感じる。
病気がち。
いつも疲れている。
元気が出ない。
気分が落ち込みやすい。
このような状態が続いている人は、エネルギー不足という視点も考える必要があります。
もちろん、これらの状態にはさまざまな原因があります。
睡眠、ストレス、病気、年齢、生活環境、食事、運動量など、いろいろな要素が関係します。
ただ、その中のひとつとして、体が十分にエネルギーを作れているかどうかは大切な視点です。
エネルギーを作るには、食べものから材料を取り入れる必要があります。
食べものの中にも、エネルギー材料として使われやすいものもあれば、消化吸収に時間がかかるものもあります。
エネルギー材料として使われやすいものは、消化吸収の効率も良くエネルギー消耗には繋がりにくいと言えます。
逆に、消化吸収に時間のかかるものは、エネルギー消耗も強めで効率という点では良い食材とは言えないかもしれません。
あと、「良い食べ物だから」「体に良くないから」と言って、何かひとつだけを極端に増やしたり、極端に制限したりするのは、あまり安全な考え方ではないと思います。
食事は、偏った内容にするのではなく、できるだけいろいろな食材を組み合わせることが基本です。
消化吸収にもエネルギーを使っている
私たちは、食べれば自動的に元気になると思いがちです。
でも、食べたものを消化し、吸収し、体の中で使える形にしていくのも、エネルギーを消耗させるのです。
そのため、疲れているときやエネルギー不足を感じるときに、消化に負担のかかるものをたくさん食べると、かえって体が重く感じることがあります。
そんなときは、食べる内容だけでなく、食べ方も大切です。
早食いになっていないか。
よく噛んでいるか。
一度に食べすぎていないか。
消化の悪いものばかりに偏っていないか。
特に疲れているときは、いつもより少し丁寧に咀嚼するだけでも、体への負担は変わってくると思います。
糖質は悪者なのか
近年、制限されやすい栄養素として糖質があります。
糖質を摂ると血糖値が上がる。
だから糖質は控えた方がいい。
このように語られることがありますよね。
もちろん、血糖値が高い状態が続いている人や、医師から食事指導を受けている人は、自己判断で糖質を増やすべきではありません。
その場合は、医師や管理栄養士など専門家の指導に沿うことも大切です。
ただ、糖質そのものを単純に悪者として扱うことに、私は違和感があります。
糖質は、体にとって大切なエネルギー源です。
特に、ブドウ糖は体の中でエネルギーとして使われる重要な材料です。
問題は、糖質そのものが悪いというより、
どのような糖を、
どのくらい、
どのタイミングで、
どんな体の状態で摂るのか。
ここなのだと思います。
脂質もエネルギー源だが、糖とは使われ方が違う
脂質は、カロリーの高い栄養素です。
そのため、脂質もエネルギー源になります。
ただ、糖質と脂質では、体の中でエネルギーとして使われるまでの流れが違います。
糖質は、比較的すばやくエネルギーとして使われやすい栄養素です。
一方で、脂質はエネルギー量は大きいものの、代謝の過程は糖質とは異なり、エネルギー消耗に繋がる可能性があります。
そういう意味では、日常のエネルギー源を意図的に脂質へ大きく寄せるような食べ方は、誰にでも合うものではないと感じます。
また、現代の食事では、意識して油を摂っていないつもりでも、料理法や加工食品の中に植物油脂が多く使われていることがあります。
揚げ物。
炒め物。
スナック菓子。
菓子パン。
スウィーツ。
加工食品。
ドレッシングやソース類。
こうしたものを通して、知らないうちに油を摂っていることもあります。
そのため、油脂類が過剰にならないよう、素材に含まれる油以外は少し控えめにする意識も大切ではないかと思います。
お腹が空くことと血糖値の関係
体や頭を使ったあと、お腹が空くことってありますよね?
仕事をしたあと。
運動したあと。
集中して頭を使ったあと。
そんなとき、甘いものや糖質を含むものが欲しくなることはないでしょうか?
これは、体がエネルギーを求めているサインとして見ることもできます。
お腹が空く背景には、胃腸の状態、ホルモン、生活リズム、食事内容、ストレスなど、さまざまな要素がありますが、一番大きいのは血糖値の変化ではないでしょうか?
体がエネルギーを必要としているときに、糖質を欲すること自体は、大昔から続く、ごくごく自然な反応なんだと思います。
食べることで満たされ、血糖値が回復し、心身が落ち着く。
お腹が空いていると、心身は落ち着きませんからね。
ただし、ここでも大切なのは量と質です。
疲れているからといって、甘いものを無制限に食べればよいわけではありません。
甘い物の内容が大事です。
体が何を求めているのかを感じながら、食べ方を整えていくことが大切です。
血糖値が高いということを、どう考えるか
食事をすると、血糖値は上がります。
その後、血液中の糖は体の細胞に取り込まれ、エネルギーを代謝させます。
そして、通常は体の調整機構によって、血糖値は一定の範囲に保たれるように働いています。
でも、世の中には糖質を食べたあとに血糖値が下がりにくい人がいます。
その様な人は日頃から、「血糖値が高い」と言われることがありますよね。
ここで大切なのは、
高血糖 = 糖の摂りすぎ
と単純に決めつけないことです。
もちろん、糖質やエネルギーの摂りすぎが関係する場合もあります。
ただ、それだけで説明できるほど、体の仕組みは単純ではありません。
血液中に糖があるのに、それがうまく細胞で使われていない。
そういう状態が関係している可能性もあります。
その背景には、インスリンの働き、筋肉量、活動量、脂質代謝、ストレス、睡眠、内臓の状態など、さまざまな要素が関わります。
血糖値を見るときには、糖を食べたかどうかだけでなく、「糖を使える体の状態か」も考える必要があるのだと思います。
ランドルサイクルという考え方
ここで参考になる考え方のひとつに、ランドルサイクルという仕組みがあります。
ランドルサイクルとは、1963年に報告された、体内におけるグルコース、つまりブドウ糖と、遊離脂肪酸の利用に関する仕組みです。
簡単に言うと、糖質と脂質は、エネルギー源として互いに影響し合うという考え方です。
脂質の利用が強くなると、糖の利用が抑えられることがある。
反対に、糖の利用が進むと、脂質の使われ方は抑えられることがある。
糖代謝と脂質代謝は拮抗するという仕組みです。
もちろん、実際の体の中ではもっと複雑な調整が行われていますので、完璧に100か0で切り替わると言いたい訳ではありません。
ここで言いたいのは、糖だけを見ても、脂質だけを見ても、エネルギー代謝の全体像は見えにくいということです。
血糖値が気になるときには、
糖を摂りすぎているかどうか。
脂質が多くなりすぎていないか。
体を動かしているか。
筋肉で糖を使えているか。
睡眠やストレスの影響はないか。
こうした全体の流れで見ることが大切だと思います。
甘いものを欲しくなる体の声
甘いものは悪者扱いされやすいものです。
けれど、甘いものを食べたいと思う時もありますよね?
疲れたとき。
頭を使ったあと。
食事の間隔が空いたとき。
気持ちが張りつめていたとき。
そんなときに甘いものが欲しくなる感覚ってありますよね?
これは、体がエネルギーを求めているサインとして見ることもできます。
ただし、甘いものが欲しいからといって、いつでもそのまま食べればよいという話ではありません。
甘いものが欲しい背景に、食事不足があるのか。
睡眠不足があるのか。
ストレスがあるのか。
疲れがたまっているのか。
普段の食事で必要な栄養が足りているのか。
そうした背景を見ていくことが大切です。
体は、満たされれば自然と落ち着くこともあります。
一方で、ストレスや習慣によって食べすぎにつながることもあります。
だからこそ、甘いものを単純に悪者にするのではなく、体が何を求めているのかを考えるきっかけにしたいところです。
血糖値は、単純な話だけでは説明できない
血糖値は、体内の複雑な調整機構によって保たれています。
ここで取り上げた内容だけで、すべてを説明できるものではありません。
糖質を摂る量。
脂質の摂り方。
筋肉量。
運動量。
肝臓の働き。
膵臓から分泌されるインスリン。
睡眠。
ストレス。
年齢。
体質。
さまざまな要素が関わっています。
だから、血糖値が気になる人ほど、極端な食事法に飛びつくのではなく、まずは体の仕組みを知ることが大切だと思います。
糖を完全に悪者にするのではなく、糖をどう使える体であるか。
脂質を敵にするのではなく、脂質が過剰になりすぎていないか。
脂質の種類は何なのか?
食事全体のバランス、生活リズム、活動量、睡眠、ストレスまで含めて見ていくことが大事だと思います。
そこに、血糖値を考えるうえでの大切な視点があると思います。
まとめ|糖を避ける前に、糖を使える体を考える
血糖値が気になると、どうしても糖を避ける方向に意識が向きます。
もちろん、血糖値が高い状態が続いている人や、糖尿病の治療中の人は、自己判断で食事内容を変えるべきではありません。
医師や管理栄養士など、専門家の指導に沿うことも大切です。
そのうえで、日常の健康維持として考えるなら、糖をただ悪者にするのではなく、糖を使える体かどうかを見る視点も大切だと思います。
糖の種類と質。
油の種類と質。
血糖値は、ランドルサイクルの視点で見ると、糖だけの問題ではありません。
脂質の関係も見逃せないと考えます。
すると、食生活の見え方も少し変わってくるのではないでしょうか?
糖を怖がりすぎるのではなく、糖をどのように摂っていくか?脂質をどのように摂っていくか?
そこを考えることが、これからの食生活を見直すうえで大切な視点になると思います。
この記事を書いた人
こんにちは、この記事を書いた上田です。
このブログでは、生活改善・習慣作り・健康維持など、日々の暮らしを少しでも快適にするための情報を発信しています。
記事の内容は、医療的な診断や治療、個別の食事指導の代替ではなく、日常で体と向き合うための一つの視点として、参考にしていただければ嬉しいです。
※血糖値が高いと言われている方、糖尿病や脂質異常症などで治療中の方、薬を服用中の方は、自己判断で糖質や脂質の摂り方を変えず、医師や管理栄養士など専門家への相談も忘れずに。




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